パンのはなし

私はパンが大好きです。バターたっぷりのデニッシュにパリッとしたバゲット。

無花果の入ったハード系や昔ながらクリームパンに焼きそばパン、どんなパンも大好きなのですが、やはり、パンは私が小学生だった頃に比べると格段に美味しくなっていると思います。
フランスを留学する前に「地球の歩き方」という本を読み込んでいたのですが、その中にパリジェンヌがバゲットを買い、歩きながらそのままのバゲットを食べる。と書いてあり、(うっそ〜)と思ったのを覚えています。
その頃、日本で売っていたのは「フランスパン」と呼ばれ、固くて粘りがあって、噛み切るのに勢い余って怪我をしそうなものがほとんどで、そのパンを歩きながら食べるなんて想像が出来ないのです。
渡仏してから、始めてフランスパンを口にした時の驚きは、言葉に出来ない程でした。

それまで食べていた噛み切るのが大変なフランスパンとは違い、固いのに噛み切れるバゲットは同じカテゴリーに入れてはいけない!と思ったものです。
クロワッサンなども、やはり、日本で食べる物とは別物でしっとりとしていて、バターのコクも私が今まで食べていた物とは別物でした。
もう、そうなるとハイジがおじいさんに「白パン」を食べさせたい。と思った気持ちが、死ぬ程、理解が出来てしまうのです。

私も日本にいる父や母にこのパンを食べさせたいと、日本に帰国する時にはバゲットやバゲットを買いこみ、機内持ち込みをしました。

ただ、残念なのは、その頃の飛行機事情で、パリから東京はアンカレッジで飛行機の乗り換えがあったりで14時間と随分と時間がかかったので、両親がパンを口にする時には、私が感動したパンの味からは数段、味が落ちてしまっていて、悲しい気持ちになりました。
きっと、私はパリの雰囲気をパンで両親に伝えたかったのだと思います。
その後、何十年、日本でもパリの有名なパン屋さんのバゲットが手に入り、日本人の技術も格段と上がり、日本のバゲットをフランス人が美味しい。と食べる時代になりました。なかなか、手の届かなかった異国の物が簡単に手に入る時代は嬉しくもあるけれど、少しつまらない。と思うのは、私が歳をとったからかもしれません…

DSC_0004

No comments yet.

コメントを残す